その日のうちに
抜歯をしたい!という方へ
ご来院された当日に抜歯を行うことを“即日抜歯”と言います。一般的な歯科医院では、即日抜歯に対応していない場合もございますが、当院では精査のち診断をしっかりとさせていただき、総合的に判断して当日抜歯が問題ないと判断した場合は(お時間があれば)当日の即日抜歯をご提案させていただきます。
即日抜歯のメリット
- すぐに治療できる歯の痛みを感じたその日に抜歯ができるため、長い時間痛みを我慢する必要がありません。
- 合併症を防ぐ痛みが出たまま放置してしまうと、より深刻な症状が併発する恐れがあります。その日のうちに対処することで合併症を未然に防ぎます。
即日抜歯ができないケース
①お痛みがある時
お痛みがある時は、「細菌が暴れている時」です。細菌が暴れているときは
①麻酔がとても効きづらく、抜歯の時に痛い
②抜歯した後にその傷口が著しく感染しやすく、抜歯前よりも痛くなってしまう(また、傷口が化膿し骨の治りがとても悪くなってしまう)
など可能性がある理由から、即日抜歯は推奨できません。こういった場合の時はまず消炎処置(そのスポットのみのクリーニングやお薬を飲んでいただいたり等してまずお痛みや炎症を減らします。)を行います。
②全身状態を確認したい時
抜歯は歯科医療の中で外科処置という部類に入ります。外科処置は観血処置(出血などを伴う処置)であることが多いため、とりわけ全身の状態を確認した上での治療計画の立案が重要になります。例えば血が止まりづらく止血が難しいご病気や、糖尿病や高血圧など、抜歯に際してしっかりと状態を把握しておかなければならない全身疾患はたくさんあります。それぞれの疾患に応じて術後のフォローアップが異なり、それにより痛みや治癒の度合いも変わるからです。問題がなければすぐに抜歯をしてさしあげたい気持ちは山々ですが、この全身状態をチェックするというステップを細かく行うことはとても大切です。
③体調が悪いとき
体調が悪いときは体の免疫が下がっている状態の為、抜歯した後の傷口の治りが悪くなる可能性がございます。
④当日や1週間以内に
大切なご予定があるとき
抜歯した後は、お痛みが出たり腫れたり(2~3日後からピーク)する可能性があります。大切なご予定があるときにお痛みがあったり、お顔が腫れていたりすると嫌な思いをされてしまうかと思いますので、親知らず抜歯のスケジュールを調整しましょう。
⑤当日、血流が良くなるような
ご予定があるとき
入浴(シャワーは可)・飲酒・運動などは当日控えていただいております。当日に上記のようなご予定がある方は、親知らず抜歯のスケジュールを調整いたしましょう。
⑥画像審査にてリスクが高いと判断した時
パノラマX線写真やCT等にて、抜歯の該当歯の周囲組織との関係性を把握しておくことは抜歯に際して重要な事項のうちの1つです。
〜上顎〜
上顎の親知らずは解剖学的に、上顎洞といって上顎の骨の内部にある大きな空洞と近いです。上顎洞は聞き馴染みのある有名なところでいうと、蓄膿症などと関わりが深いです。蓄膿症の際に膿が溜まってしまうのが上顎洞ですが、(経験された方はおわかりとは思いますが)お鼻が詰まるといった症状も同時に起こります。
これは、上顎洞とお鼻がつながっていることが原因ですが、上顎洞と近い親知らずを抜歯した際に止むを得ず抜歯した穴を介して上顎洞とお口の中が交通してしまうことがあります。 そうすると、うがいをした時に水が鼻に抜けるなどといった状況を引き起こしてしまいますので、そういったリスクが考えられるケースであれば今一度精査させていただき、即日の抜歯の可否をお伝えできないことがあります。
〜下顎〜
下顎の親知らずは、解剖学的に下顎管といって下顎の骨の内部に走る大きな神経の管と近いことが多いです。この下顎管には下歯槽神経が通っています(他にも、下歯槽動脈、下歯槽静脈が通っています)。
下顎の親知らずを抜歯の際に、何らかの形でこの下顎管付近に刺激やダメージが加わると、下唇の周りの感覚やお口の中の粘膜の感覚などに麻痺が生じた状態になることもあります。こういった状況をなるべく引き起こさない様にするため、術前審査を細かくする必要性があると判断したケースでは即日の抜歯が不可能なこともあります。
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