虫歯について
虫歯とは
歯にう蝕病原細菌が感染している状態です。進行段階によって感じる症状や、処置の方法が変わります。
虫歯の原因
バイオフィルムという細菌の塊のようなものが原因です。非常にたくさんの細菌たちが集まって形成されたバイオフィルムが歯に対して感染することで虫歯になってしまいます。
当院の虫歯治療の特徴
痛みに配慮した虫歯治療
当院では、治療前に局所麻酔をしっかりと行います。また、麻酔の針自体も痛くないように、下記のような工夫を行っております。
- 麻酔を打つ部分の口腔内粘膜をよく乾燥させる
- 口腔内粘膜をしっかりと張ったり緩めたり、麻酔を打つ場所に応じて粘膜の緊張度を変える
- 十分量の表面麻酔を用いる
- 針の角度を意識することで刺したかどうかわからなくする
- 麻酔液の温度を人肌程度に温めることで体内に入った時に痛くなくする
- 急に深いところに麻酔をせず、浅いところから麻酔を始める
- ゆっくりと麻酔薬を入れることで組織をびっくりさせない
虫歯治療について
エナメル質に限局した虫歯で、とても浅い虫歯です。当院では「虫歯の種」などと表現したりすることもあります。エナメル質には痛みを感じることができる構造が無い為、虫歯になっていても気づかないことがほとんどです。
C1:エナメル質内の虫歯
歯の表面のエナメル質が溶け始めた段階の虫歯です。痛みがなく、ついつい放っておきがちです。虫歯の部分だけを正確に治療し合成樹脂(レジン)や、間接法で詰め物(銀歯・セラミック等)を充填します。
治療内容
フッ素などを塗布したり、メインテナンスで大きくならないか経過を見ることもあります。結晶構造が大きく崩れてたり見た目が悪いなど理由があれば、削って処置をすることもあります。
治療の流れ
- 麻酔をしない、または必要があれば麻酔をする
- 削る
- コンポジットレジンと呼ばれるプラスチックで埋める
- 研磨する
C2:象牙質に達した虫歯
象牙質まで至ってしまっている虫歯で、痛みを感じることがあります。ただ、痛みを感じないことも珍しくないので、自覚症状が無いままC3まで進んでしまうケースもあります。
治療内容
削らなければ治らないので、削って治しますが必要最低限で削らせていただきます。細かく虫歯を染めだす薬液を用いて、削り切れたかどうかを何度もチェックしながら、取りのこしや過剰な削り取りをしないよう注意して処置を行います。
治療の流れ
- 麻酔をします(希望されないケースでは麻酔しないこともあります)
- 削る
- 虫歯の範囲や深さによっては下記のように方針が分かれます
・その場でコンポジットレジンを詰める
・一度仮の薬や仮歯にしてから、型取りをして最終的なものをはめる など
C3:歯髄(神経)に達した虫歯
歯髄(歯の神経)まで至ってしまっている虫歯で、強い痛みを感じることが多いです。人によっては、お痛みをあまり感じられないか、感じても微妙なこともあるようです。
治療内容
細菌に感染した歯髄を除去します。症状に応じた歯髄の除去範囲になりますが、当院ではまず神経が生きているか死んでいるかのチェックや、死にかけの神経であればどの程度か等チェックをさせていただいてから処置に移らせていただきます。
治療の流れ
- 麻酔をします
- ラバーダムというゴムのカバーのようなものを用いて清潔な術野を保ちます
- 虫歯を除去しきります
- 神経を取ります
強い消毒効果のある薬などで神経の部屋を洗います - 水酸化カルシウム等を用いて殺菌効果をはかります
- 何度かこの処置を繰り返します
十分清潔な状態が作れたら、神経の代わりになる人工的なお薬を詰めます - 土台を立てます
歯の周りをぐるっと一周最低限の切削量で削り、被せものにします
C4:歯質が失われた虫歯
虫歯が進行しすぎて、根だけになってしまっている状態です。歯の咬む部分(頭の部分。歯冠と言います)が崩壊してしまっている状態になります。
治療内容
虫歯を除去し、保存可能であればC3同様に根の処置をします。虫歯を除去したところ、保存不可能であれば抜歯をします。
虫歯の予防法
虫歯を予防する上で大切なこと
- ご自身でしっかりと清掃をすること
- ご自身の状態を把握すること
(体質や磨き方など含め) - メインテナンスに来ていただくこと
まず、こまかく歯医者さんに来ていただくことは私たちとしても喜ばしいですし、素晴らしいモチベーションだと思います。それを続けていただいた上で、例えば1週間が7日あり、そのうち1日歯医者さんに来ていただいて管理するよりは、残りの6日をしっかりと正しい方法で口腔内を管理している方が、極端なはなし、虫歯予防につながると思います。
また、ご自身の体質や清掃方法が正しいかどうか(磨いてるのに虫歯になってしまう方は磨き方が良くないかもしれません)をチェックさせていただくことも効果的かと思われます。
ご自身でしっかりとコントロールできる状況が整った上で、メインテナンスに来ていただいて、歯科医師・歯科衛生士のプロの目線から問題の見逃しや新生がないかをチェックさせていただきます。
以上のことを大切にしていただけますと、虫歯は十分予防できるかと思います。